用語解説

ここではあびこ電脳考古博物館で使われている専門用語や難しい言葉の解説をします。

あ行
握斧【あくふ】
握斧使用方法
握斧使用方法
アーモンド形をした打製石器。片側の端部が尖る形が多く、楕円形・三角形のものなどもみられる。礫の両面を打撃により打ち欠いて刃部を作り出している。
我孫子地区【あびこちく】
我孫子駅を中心とした我孫子市の西端地域をさす。現在、市内でもっとも人口が多い地域である。
参考:我孫子地区我孫子市ホームページより)
新木地区【あらきちく】
新木駅を中心とした我孫子市の中央よりやや東側の地域をさす。奈良・平安時代にはベッドタウンとして多くの集落が営まれた。
参考:新木地区我孫子市ホームページより)
E・S・モース【いー・えす・もーす】
モースの胸像
モースの胸像
(大森貝塚史跡庭園)
アメリカ人の動物学者(貝類が専門)。1877年に来日した際、汽車の車窓から偶然発見した大森貝塚に興味を持ち、その発掘を行った。日本ではじめて「発掘調査報告書」刊行して、日本の近代的考古学の礎を築いた人物。
石皿【いしざら】
縄文時代全体を通じて多く見られるもので、敲石や磨石を利用して、堅果類(ドングリやトチの実)を加工するのに用いられていたと考えられる。大きな扁平の礫の中央部を凹ませた形状のものが多くみられる。
石枕【いしまくら】
石枕
石枕(金塚古墳出土)
枕は枕でも古墳に埋葬される死者の頭部にあてがわれたものである。生身の人間は痛くて使えない。石製の棺に直接掘り込んで作られたものと独立したものがあるが、東日本では後者が認められる。滑石製のものが多い。幾何学模様が掘り込まれたものや立花を伴うものなどがある。
板碑【いたび】
板碑
板碑
石造仏塔の一種で、塔婆、供養塔という性格をもつ。板状剥離の特性がある岩石を利用し板状に作られたためこの名がつけられた。関東では緑泥片岩を用いて作られることが多い。
一般的に頭部が山形につくられ、その直下に2段の切り込み溝を刻んで額部を作り出す。塔身部には蓮華座上に主尊である仏像や仏種子、紀年月日・法名・造立願文・経偈などが刻まれる。
鎌倉時代から南北朝時代にかけてもっとも盛んに作られ、分布範囲は東北から九州にまで及ぶ。
円墳【えんぷん】
円墳
上空から見ると正円に見える墳丘である。
か行
階層化【かいそうか】
社会変化の一側面で、富の蓄積などを原因として平等社会から不平等社会に変化していく様子を「階層化」と表現する。指導者とそれを支える側近、親族、そして一般人というような社会格差の表れを意味する。
貝塚【かいづか】
貝を食べた昔の人が残した、貝殻の山。
竈【かまど】
竈の断面模式図
竈の断面模式図
古代のコンロである。ずんぐりとした饅頭のような形で、住居の壁際に設置される。薪を入れるところ、甕をかけるところ、そして煙を出すところの計3箇所の穴があけられてできている。我孫子で発見される竈は山砂を固めて成型されたもの。
環濠【かんごう】
集落の周囲にめぐらせる区画溝。断面形はX字状を呈することが多い。主に弥生時代からみられるもので、富の蓄積が始まり、それを周囲の集落から守る必要が出てきたために環濠をめぐらせるようになったという説がある。
関東ローム層【かんとうろーむそう】
1万から13万年前に富士山や浅間山などから噴出した火山灰が堆積することでできた地層。赤土と呼ばれている。
後期旧石器時代【こうききゅうせっきじだい】
3万5千年前から1万2千年前のことで、新人が活動していた時代である。
考古学の時代区分【こうこがくのじだいくぶん】
考古学における時代区分
考古学の時代区分
日本の考古学では人類の歴史を「旧石器」「縄文」「弥生」「古墳」「歴史」の各時代に分けています。「旧石器時代」から「古墳時代」までは文字資料が乏しいため、土器を中心とした考古学的遺物によって区分が行われています。「歴史時代」は文字で記された歴史史料が残っている時代の総称で、一般的な歴史区分(鎌倉時代、室町時代など)で扱われる。
参考:我孫子の歴史年表
郡家・郡衙【ぐうけ・ぐんが】
古代の郡の役所跡のこと。
凹石【くぼみいし】
丸、あるいはやや扁平なこぶし大の礫に凹みがつけられたもの。礫を握りやすいように付けられたのか、あるいは堅果類を叩き割る過程で凹みが発生したのか、よくわかっていない。
湖北地区【こほくちく】
湖北駅を中心とした我孫子市の中央地域を指す。日秀西遺跡(群衙正倉跡)を中心に古代の役所関連遺跡が多数存在する。
参考:湖北地区我孫子市ホームページより)
さ行
細石刃【さいせきじん】
細石刃装着例
装着例
石刃の中で幅1cm以下、長さ5cm以下のもの(サイズに関する定義は研究者によって様々で、必ずしもこの限りではないので注意)がこのように呼ばれる。数個の細石刃を木の柄などに埋め込んで使用していたと考えられる。
指定文化財【していぶんかざい】
学術的・歴史的に貴重なもので、文化財保護法や文化財保護条例などにより、国や県、市町村により指定されている文化財。
下総型埴輪【しもうさがたはにわ】
千葉県の下総地域を中心に広がりを持つ埴輪の一群を指す。
下総国相馬郡【しもうさのくにそうまぐん】
下総国は現在の千葉県北部、茨城県南西部、埼玉県東部の範囲にあった旧国名。相馬郡はその中にあった旧郡名。我孫子市の日秀西遺跡はその郡の役所の倉庫群の跡である。
正倉院文書【しょうそういんもんじょ】
東大寺の正倉院に保管されてきた古文書の総称。奈良時代に関する貴重な情報を有する。
縄文【じょうもん】
「縄文」とは、E.Sモースによって用いられた「cord mark」という言葉の訳で、先史時代の土器に付けられた縄目文様のことである。
縒りあげられた縄を粘土の上で転がすことによって得られる模様であることが縄文土器編年を確立した山内清男によって解明された。
縄文海進【じょうもんかいしん】
縄文時代前期に起きた地球の温暖化の影響で、海水面が上昇し、標高の低い地域に海水が侵入してきた現象を縄文海進とよぶ。これまでの研究によって栃木県の藤岡市付近まで海水の浸入がおきていたことが判明している。
縄文時代遺跡から見つかった植物質の塊をもとに再現された、堅果類をこねて作られるクッキー。縄文時代に食されたと考えられるが、若干再現で利用される素材が怪しい。
新石器時代【しんせっきじだい】
石器の製作方法として打撃に加え、研磨が加わった時代を指す。
須恵器【すえき】
古墳時代中期末以降に日本で生産された陶質の土器をさす。硬質で、上質のものはたたくと「カンカン」という金属音がする。地下式・半地下式の登り窯で約1100度の温度で還元焼成される。
還元焼成とは「焼成の最終段階で焚口や煙道をふさぎ、土器の胎土に含まれる酸素を利用して行うこと」で、これにより酸化し赤褐色をしていたものが、青灰色になる。
器形は壺、坏、甕、(こしき)のほか、横瓶(よこべ)平瓶(ひらか)などがある。

参考:横瓶の作り方
横瓶の作り方
現在はロクロで粘土塊から一気に引き上げて作るが、須恵器の場合は部分ごとに形を作って最後に合成していた。

磨石【すりいし】
堅果類などをすり潰すのに利用されたと考えられるこぶし大の礫。
青銅【せいどう】
銅を主成分としてスズを含む合金。
石室【せきしつ】
文字通り石の部屋だが、主に古墳における石棺を収める部屋を指す。
石斧【せきふ】
石で作られた斧。
前期旧石器時代【ぜんききゅうせっきじだい】
250万年前から15万年前のことで、猿人や原人が活動していた時代である。
尖頭器【せんとうき】
尖頭器装着例
装着例
一端が鋭く尖った石器で、槍先として用いていたものと考えられる。美しい木の葉形のものがよくみられる。
前方後円墳【ぜんぽうこうえんふん】
前方後円墳
台形と円形の土盛りを組み合わせて作られた、上空から見るといわゆる鍵穴のような形をした古代権力者のお墓。どちらが前でどちらが後ろなのかはわからないが、便宜上このような名前になっている。
前方後方墳【ぜんぽうこうほうふん】
前方後方墳
台形と正方形の土盛りを組み合わせて作られたお墓。
掻器【そうき】
皮をなめし(皮が乾燥したあとも硬くならないようにする処理)たり、木材をこそいだりするときに使用されたと考えられる石器。
た行
高床式建物【たかゆかしきたてもの】
床面が地上から離れている建物のこと。通気性がよく、害獣を防げることなどから穀物や書物といった大切なものを保存するのに適していた。遺跡で見つかるのは柱の跡である。
打製石斧【だせいせきふ】
打撃成型によって作られた石斧。
打製石器【だせいせっき】
打撃によって打ち欠いて作られた石器のこと。石核石器や剥片石器に分類され前者には握斧が、後者には石刃や尖頭器、石鏃などが含まれる。
製作技法は様々で、打撃の方法によって直接打撃、間接打撃といった分類や製作工程による分類がなされている。
敲石【たたきいし】
敲打痕がみられる礫で、堅果類を叩き潰すなどの使用方法が考えられる遺物。
竪穴式住居【たてあなしきじゅうきょ】
地面を掘り込み、柱を利用してその上に屋根を設けて居住空間を作り出した住居。
後期旧石器時代から確認されるが、発見例が多くなるのは縄文時代以降である。形状は円形や方形などがあり、住居内には炉あるいは竈が設けられることが多い。
縄文時代には円形の多い時期、方形の多い時期があるが、弥生時代以降になると方形のものがほとんどになる。
竪穴式住居の構造
竪穴式住居の構造(縄文時代)
中期旧石器時代【ちゅうききゅうせっきじだい】
15万年前から3万5千年前のことで、旧人が活動していた時代である。
銅戈【どうか】
青銅で作られた戈。本来は中国で戦車などの戦闘に使われた武器。弥生時代の日本では大型化して、武器としてではなく、祭祀用の祭器として使われた。
銅剣【どうけん】
青銅で作られた剣。弥生時代に大陸から朝鮮半島を経由して伝来。初期には実際に武器として使用されたと思われる。後には儀式用に使用されるようになる。
銅鐸【どうたく】
青銅で作られた釣鐘型の祭器。弥生時代に日本で出土する大型のものは日本独自で発展を遂げたものと考えられる。
東大寺正倉院【とうだいじしょうそういん】
奈良の東大寺にある校倉作りの倉庫。奈良時代を中心とする多くの美術工芸品・古文書類などが収蔵されていた。
銅矛【どうほこ】
青銅製の武器。槍状の刃の下部が袋状になっていて、そこに柄を差し込んで使用する。他の弥生時代の青銅器のように大型化、祭器化する。
土器【どき】
粘土をこねて何らかの器の形に成型し、焼成されたもの。人類が初めて化学変化を利用して製作した道具といわれる。日本ではおよそ1万2千年前から土器が作られたと考えれている。
泥面子【どろめんこ】
泥面子
市内出土の泥面子
市内のいろいろな遺跡から出土した泥めんこの写真。神仏や貨幣、道具をかたどったものないろいろな種類がある。子供の玩具と考えらる。畑から多く出土することから、豊作祈願の道具という説もある。
な行
ナイフ形石器【ないふがたせっき】
ナイフ形石器
ナイフ形石器
ナイフ形石器装着例
装着例
鋭利な先端と、鋭い縁辺をもった石器。木や肉の加工・切断に用いたり、長い木の枝に装着して槍として使用していたと考えられる。
ネアンデルタール人【ねあんでるたーるじん】
約10万年前から3万年前まで、ヨーロッパ、西アジアで活動していた人類で旧人とも呼ばれる。ドイツのドュッセルドルフ郊外のネアンデル谷にあった洞窟で発見されたことから、この名が付けられた。火や石器を用いていたようである。
ネアンデルタール人が現代人(新人)の直接の祖先か否かという議論があるが、近年行われたDNA分析の結果から、現代人とは別種であるという説が有力となっている。
農耕【のうこう】
有用植物の種子を管理し、育成、収穫等を通年計画に基づいて行う行為。植物の成長全体を管理する行為がこの用語にあたる。「自然状態で存在する有用植物がよりよく育つように雑草を取り除く」といった育成方法は「栽培」などの用語を用いて農耕と区別される。
は行
土師器【はじき】
古墳時代から平安時代にかけて製作された赤褐色の素焼き土器の総称である。800度前後の温度でオープンエアで焼かれる(酸化焼成)。
形態は時期や地域によりさまざまであるが、壺、器台、甕、甑、坏などが多くみられる。表面を黒色や赤色に処理されるものもある。
埴輪【はにわ】
古墳の墳丘等に並べられる、土製の焼き物。定型的な円筒型や朝顔型などの埴輪と人物や動物を模した形象埴輪がある。被葬者を守る意味や儀礼的な意味を持ったものと考えられている。
平地式住居【へいちしきじゅうきょ】
地面に掘り込みを持たず、地上に直接上屋を建築した住居。掘り込みがないため、遺構として検出するのが難しいものである。礎石(柱を安定させるための石)などがあるとその存在が判明する。
方墳【ほうふん】
方墳
上空から見ると正方形に見える墳丘である。
墨書土器【ぼくしょどき】
土器の側面や内面、あるいは底面などに墨書(墨で書かれた文字)がある土器の総称。
掘立柱建物【ほったてばしらたてもの】
柱によって建物全体を支え、床面が地上から離れている建物のことで、高床式建物とほぼ同じ意味で使われる。
ま行
磨製石斧【ませいせきふ】
打撃による大まかな成型後、研磨によって丁寧に仕上げられた石斧のこと。石材や研磨の程度によってはピカピカに光るほどのものがある。
磨製石器【ませいせっき】
研磨によって整えられた石器の総称。
木棺【もっかん】
木で作られた遺体を入れる棺。板を組み合わせた、箱式木棺。木の幹を繰り抜いた割り竹形木棺などがある。
や行
谷津【やつ】
沢(小川)が流れる、あるいは流れていたような小さな谷に対してこの用語が用いられる。
有機物【ゆうきぶつ】
一般には炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物を指すが、考古学の現場では一般に生体由来の生成物を指す。特に植物由来の遺物、クリやドングリ、クルミ等の堅果類、木製や植物性の道具類を限定して示すことが多い。
ら行
炉【ろ】
床に設けられた火床のこと。考古学では主に、縄文時代から古墳時代にかけて竪穴式住居の床面に作られた火床のことをさす。石で囲まれた石囲炉や土器が埋められている埋甕炉、あるいは灰をより分けるための施設が付いた複式炉など様々な形態がある。
炉穴【ろあな】
縄文時代早期に良くみられるもので、住居とは別に屋外に設置された炉の跡のこと。同じ場所が長期にわたって利用されることがあり、10数個の炉穴が重なって検出されるようなこともある。
わ行

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